ピックルボールの日本市場が、また一段大きく動き始めました。
2026年10月5日、TBSと電通グループが共同で日本発のプロピックルボールチーム「THE DOTS TOKYO」を設立すると発表しました。
さらにTHE DOTS TOKYOは、2026年に初開催されるアジア最高峰のプロピックルボールリーグ「MLP Asia 2026」に参戦します。
注目したいのは、それだけではありません。
TBSと電通グループは、MLP Asia 2026の日本ラウンドそのものの主管も務めます。
これは、単なる企業によるチーム設立というより、日本のピックルボールが「競技として楽しむスポーツ」から「観るスポーツ」「応援するスポーツ」「スポンサーが集まるスポーツ」へ進もうとしている動きと見ることができます。
TBSと電通が「THE DOTS TOKYO」を共同設立
「THE DOTS TOKYO」は、日本から世界へ挑戦するプロピックルボールチームとして設立されました。
チーム名の「THE DOTS」には「Connecting the dots」という考え方が込められています。
選手やスタッフ、ファンなど、それぞれが持つ経験や個性を一つひとつの「点」と考え、それらがピックルボールを通じてつながり、新しいスポーツ文化をつくっていくという意味です。
2026年のチームには、キャプテンの船水雄太選手をはじめ、Daniel Moore選手、畠山成冴選手、藤原里華選手、吉冨愛子選手、Mihae Kwon選手の6選手が参加します。
MLP Asia 2026に日本代表チームとして参戦
THE DOTS TOKYOが参戦するのが「MLP Asia 2026」です。
MLP Asiaは、米国発のMajor League Pickleball(MLP)のアジア版として新設されるプロリーグ。
2026年11月13日から12月12日にかけて開催され、日本、中国、フィリピン、ベトナム、香港、マレーシアのチームが参加します。
日本ラウンドは11月13日に開催され、THE DOTS TOKYOはフィリピンのManila Helios、マレーシアのMalayan Stripesと対戦する予定です。
その後、香港、フィリピン、ベトナム、中国、マレーシアと各国ラウンドが続き、12月にはノックアウトステージが行われます。
大きいのは「見るスポーツ」への展開
今回のニュースで個人的に一番気になるのは、プロチームができたこと以上に、TBSと電通が「見るスポーツ」という市場を明確に意識していることです。
これまで日本でピックルボールを始める人の多くは、
「自分でプレーする」
という側面から入ってきました。
コートを探して、道具を買って、仲間を見つけて、練習して、大会に出る。
これが現在のピックルボール市場の中心です。
しかしプロリーグが成立すると、そこに別の市場が生まれます。
「観る」
「応援する」
「選手を知る」
「チームを応援する」
「大会を見に行く」
という行動です。
さらに、そこにはスポンサー、イベント、メディア、動画配信、グッズ、ファンコミュニティなども関わってきます。
TBSと電通グループは今回、THE DOTS TOKYOの運営やブランド価値向上だけでなく、スポンサーシップの推進やマーケティング活動も担うとしています。
つまり、ピックルボールを「スポーツ競技」としてだけではなく、ひとつの産業として育てようとしているわけです。
日本の競技人口も急拡大
今回の発表では、日本のピックルボール競技人口についても触れられています。
リリースでは、2025年度は前年比約5倍、2026年には前年比約7倍となる約33万人と推計されています。
もちろん競技人口の推計には調査方法による違いがあります。
それでも、施設、大会、用品、スクール、企業参入など、周辺市場が次々に広がっていることを考えると、日本のピックルボールが急速な成長局面に入っていることは間違いなく感じます。
今回のTBS・電通グループによるプロチーム設立は、その流れを象徴するニュースのひとつと言えるでしょう。
ピックルボールは「やる」だけではなく「観る」時代へ
ピックルボールが日本で広がり始めた当初は、「新しいスポーツ」という側面が強くありました。
しかし、競技人口が増え、コートが増え、大会が増え、企業が参入し、そしてプロチームまで誕生する。
ここまで来ると、少し見え方が変わってきます。
これからは、
プレーヤー
だけではなく、
ファン
が増える可能性があります。
自分ではプレーしないけれど、好きな選手を応援する。
好きなチームの試合を見る。
大会を現地で観戦する。
SNSや動画で試合を追う。
そうした人たちが増えていけば、ピックルボールの市場はさらに大きくなります。
今回の「THE DOTS TOKYO」設立は、日本のピックルボールが次の段階へ進むきっかけになるかもしれません。
これからピックルボールを始める人にとっても、単に「遊ぶスポーツ」ではなく、選手やチーム、大会を含めて楽しめるスポーツになっていくのは面白いところです。
11月13日に開幕するMLP Asia 2026。
日本発のTHE DOTS TOKYOがどんな戦いを見せるのか、そしてこのプロリーグが日本のピックルボール市場にどんな変化をもたらすのか。
今後の動きにも注目したいところです。

