渋谷東武ホテルの地下2階に、ブラックライトとネオンを使った屋内ピックルボール施設「NEON PICKLEBALL CLUB」が登場しています。

2026年8月8日にグランドオープンした同施設は、ホテル閉館に伴い2027年2月末までの期間限定営業を予定。2面のコートを備え、パドルとボールは無料で貸し出されています。
今回の施設で興味深いのは、単に「新しいピックルボールコートができた」という話だけではありません。
ホテルの空間を、ネオン・音楽・スポーツを組み合わせた遊び場へ変える。
そんな「空室活用」という視点からも、この施設を見ることができます。
ネオンと音楽で「スポーツをしに行く」以外の入口をつくる
NEON PICKLEBALL CLUBの特徴は、ブラックライトに照らされたコートと蛍光ボールを使った空間演出です。
公式サイトでも「暗闇で光る、次世代ピックルボール体験」を掲げ、初心者も歓迎する施設として案内されています。
一般的なスポーツ施設の場合、
「ピックルボールをやってみたい」
という人が訪れることが基本になります。
一方、NEON PICKLEBALL CLUBでは、
「なんか面白そう」
「ここで遊んでみたい」
というところからピックルボールに触れる入口をつくろうとしています。
これは、まだピックルボールを知らない人に競技を知ってもらうという意味でも興味深いアプローチです。
パドルやボールは無料で貸し出されるため、道具を持っていない人でも利用できます。
「期間限定」だからこそ生まれる空間活用
NEON PICKLEBALL CLUBは、恒久的な施設ではありません。
渋谷東武ホテルの閉館に伴い、営業は2027年2月末までを予定しています。
つまり、この施設には最初から終わりの時期が設定されている。
だからこそ、
「閉館まで残された空間をどう使うか」
という空室活用の事例として見ることができます。
株式会社しんかは、渋谷東武ホテルの空間を活用するプロジェクトとしてNEON PICKLEBALL CLUBを展開しています。
ホテルの地下という既存空間に、2面のピックルボールコートを設置。
そこへネオン、音楽、イベント、コミュニティという要素を組み合わせることで、期間限定の「行く理由」をつくっています。
開業42日間で予約385件。平日夜の予約稼働率は95.6%
今回の発表では、開業後の利用状況についても具体的な数字が公開されました。
| 公開された数字 | 内容 |
|---|---|
| 開業から42日間 | 予約385件 |
| 2026年9月 | 予約稼働率65.8% |
| 平日19〜22時 | 予約稼働率95.6% |
| コート | 2面 |
これらは施設側が2026年10月1日の発表で公表した数字です。
特に目を引くのが平日19〜22時の予約稼働率95.6%。
施設側は、仕事帰りに友人や同僚と体を動かす場所として、夜の時間帯を中心に利用が広がっているとしています。
もちろん、これは42日間という限られた期間における施設側の集計です。
全国のピックルボール施設全体にそのまま当てはめられる数字ではありません。
それでも、都心の屋内施設で、平日夜という時間帯にどの程度の需要が生まれるのかを見る一つの事例にはなります。
毎月のイベントで「コート」から「コミュニティ」へ
NEON PICKLEBALL CLUBでは、2026年10月から営業終了予定の2027年2月まで、毎月コミュニティイベントを企画しています。
10月はハロウィンをテーマにしたイベントを予定。
さらに初心者向け体験、親子・異世代で楽しむ企画、企業の交流やチームビルディングへの活用なども検討されています。
ここで重要なのは、コートを「貸す」だけではなく、
イベント → 初体験 → 交流 → 再訪
という流れをつくろうとしている点です。
ピックルボールは4人で行うダブルスにも対応するため、プレー中の声かけやペアでの協力など、競技そのものがコミュニケーションのきっかけになる場面があります。
施設側も、こうした特徴を生かした交流の場づくりを進めています。
100本限定の専用パドルも
もう一つ、用品面でも動きがあります。
施設では、#FR2やvanquishの創設者として知られる石川涼氏がデザインした施設専用パドルを100本限定で会員優先販売する予定と発表しています。
これは単純なコート運営だけではなく、
施設 × コミュニティ × ブランド × オリジナル用品
という展開にもつながっています。
ピックルボールが競技だけでなく、ファッションやカルチャーと組み合わされていく事例としても追っておきたいところです。
徒歩1分のコワーキングスペースとも連携
さらに面白いのが、近隣施設との組み合わせです。
NEON PICKLEBALL CLUBから徒歩1分の場所には、株式会社しんかが運営する「SLOTH JINNAN」があります。
両施設を組み合わせ、
- 会議・研修+ピックルボール
- コワーキング+スポーツ
- ピックルボール+懇親会
- 企業交流・チームビルディング
などの活用を検討しています。
これは「ピックルボールをする場所」から一歩進んで、
仕事 → スポーツ → 交流
を一つの体験として設計する考え方です。
ピックルボールの「入口」はコートだけではない
今回のNEON PICKLEBALL CLUBを見ていて、個人的に興味深いのはここです。
ピックルボール人口を増やす方法は、
「ピックルボールをやりたい人にコートを提供する」
だけではありません。
例えば、
ネオンが面白そう
↓
渋谷で遊んでみる
↓
初めてパドルを持つ
↓
ラリーが続く
↓
面白い
↓
またやってみる
という入口もあります。
スポーツへの入口が「競技」ではなく、遊び・カルチャー・交流から始まるわけです。
これは今後、ピックルボールがどのように広がっていくのかを見るうえでも、記録しておきたい事例だと思います。
「空いている場所」をピックルボールで変える可能性
今回の施設は、2027年2月末までという期限があります。
だからこそ、長期的な施設運営とは違う視点で見ることができます。
ホテル、商業施設、体育館、イベントスペース、遊休不動産など。
もしピックルボールが「専用スポーツ施設を新設しなければできない競技」ではなく、既存空間を活用できるスポーツとして広がれば、普及の形も変わってくるかもしれません。
NEON PICKLEBALL CLUBは、その一つの事例です。
ホテル地下の2面から始まる、約7か月間のピックルボール。
その間にどれだけ新しい体験者が生まれ、どんなコミュニティが形成されるのか。
そして営業終了後、この場所で生まれた人のつながりがどこへ向かうのか。
2027年2月まで、追ってみたい施設です。
NEON PICKLEBALL CLUB|施設情報
施設名: NEON PICKLEBALL CLUB
所在地: 東京都渋谷区宇田川町3-1 渋谷東武ホテル地下2階
グランドオープン: 2026年8月8日
営業期間: 2027年2月末まで予定
コート: 屋内2面
営業時間: 平日12:00〜23:00/土日祝8:00〜23:00
パドル・ボール: 無料貸出
公式サイトでは現在、コート利用料金や予約方法、アクセスなどが案内されています。
出典
本記事では、2026年10月1日公開の株式会社しんかのプレスリリースを主要資料とし、施設公式サイトなどで施設情報を確認しています。予約件数・予約稼働率などの数値は、同プレスリリースに掲載された施設側発表です。

